フリーランスになって、まず利用するのは「クラウドソーシング」という方、多いと思います。私自身もランサーズはずっと利用していて、フリーランスとしての売上の約4割を占めています。そんなクラウドソーシングですが、単価が高く継続してご依頼いただけるような案件を獲得するためには「プロジェクト形式」を活用するのがおすすめです。
しかし条件のいい案件というのは応募数も多いですよね。沢山の応募の中から自分の提案を選んでもらうためには、どのような提案をすればいいのか。クライアントに選んでもらいやすい提案の仕方についてご紹介したいと思います。
こんな人におすすめ
- クラウドソーシングを利用している
- プロジェクト方式の仕事を増やしたい
- プロジェクト方式で応募をしても、なかなか契約にならない
- クラウドソーシングで条件の良い仕事が欲しい
- 継続の仕事を増やして安定させたい
クラウドソーシングのプロジェクト方式とは?
クラウドソーシングを活用しているフリーランスの方はとても多いと思います。私も活用しています。クラウドソーシングには「コンペ形式」「タスク形式」「プロジェクト形式」など様々な形式の募集がありますよね。まずは各形式についてそれぞれの特徴を説明したいと思います。
そもそもクラウドソーシングを使ったことがない、という方は以下のクラウドソーシングサイトが有名なので、ぜひ登録してみてください。
Lancers(ランサーズ) CrowdWorks(クラウドワークス)-
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クラウドソーシングにおける「コンペ形式とは?」
コンペ形式というのは、依頼するクライアントが「◯◯を制作して欲しい」などという具体的な依頼をし、それに対して応募者が実際に制作して提案。その提案を見てクライアントが当選を決める、というものです。「ロゴ制作」「ネーミング」名刺やチラシなどの「デザイン」などをコンペ形式で募集していることが多いですね。
例えば「会社のロゴを作って欲しい」という依頼があったとすると、クライアントのイメージする色やテイストに合わせて実際にロゴを制作し、その提案の中からクライアントが気に入ったロゴを選びます。もし得ればれなかった場合は、一生懸命作っても0円、無報酬です。
コンペ形式は、クライアントの希望する制作物が作れるようになるようになるための練習を兼ねて提案する、又は時間のあるときに提案してみる、という程度にしておくのがいいのかな、と思います。
もちろん、当選率が高い人はコンペ形式メインでも構わないのですが、クラウドソーシングにおいては、コンペ形式よりもプロジェクト形式のほうが単価の高い案件が多い傾向にあるので、プロジェクト形式に移行したほうが沢山稼ぐことができるのではないかと思います。
メリット:当選すると実績になりやすい
デメリット:単価が相場よりも安い。当選しなければ1円にもならない。
クラウドソーシングにおける「タスク形式とは?」
タスク形式とは、「スキル不要の単純作業を多数の人に行ってもらいたい」というクライアントがタスク形式を使って募集しています。「データ入力」「アンケード」「体験談の募集」「ライティング」などの募集が多いですね。
タスク形式では、業務開始前の契約などが不要です。作業完了しクライアントが承認すれば報酬確定となるので、納品完了までのスピードは早いのが特徴です。ただし、単価ははっきり言って激安ですし、タスク形式の案件をどれだけこなしたところで実績にならないので、フリーランスとして食べていけるようになりたい!と思っている人にはおすすめしません。
スキマ時間にお小遣いを稼ぎたい。スキルなしで簡単にできる作業でお金を稼ぎたい、というような方向けの業務だと思います。
メリット:スキルがなくてもできる。納品完了までのスピードが早い。
デメリット:単価が激安。実績にならない。スキルアップにならない。
クラウドソーシングにおける「プロジェクト形式とは?」
プロジェクト形式は、クライアントが募集をしている案件に対しフリーランスが提案をします。そしてメッセージ上で業務内容のすり合わせや条件の交渉を行い、双方で同意できたら契約→業務開始、という流れになる業務です。
例えば「ビジネス系の記事を1500文字程度で10記事書いて欲しいです。」という依頼があった場合に、フリーランスは「自分の経歴」「過去の実績」「希望単価」「納品予定日」「自己PR」などを書いてクライアントに提案します。
提案を読んだクライアントは興味のあるフリーランスに連絡を取り、具体的な仕事内容や単価の交渉などを行い問題なければ契約完了となります。
プロジェクト形式は他の形式に比べて単価の高い案件があります。また自分の実績などをお伝えすることで単価交渉ができるなど、自由度が高い点がメリットだと思います。しかし提案する際、うまくプレゼンができないと提案を読んでもらえなかったり、連絡さえ来なかったりすることもあります。提案力が必要になります。
フリーランスで食べていきたい!フリーランスとして一人前になりたい!という希望がある方は、プロジェクト形式で選んでもらえるようになることを目指すのがおすすめです。
メリット:比較的単価の高い業務もある。単価交渉ができる。実績になりやすい
デメリット:提案力が必要。
プロジェクト形式では提案する際の書き方が超大事!
私はフリーランスとしてクライアント様からご依頼を頂いています。私の本業は企業向けの「営業代行」「営業コンサルティング」「取材ライター」などです。ですが、数十名の外注さんとチームを組んでおり、大規模案件などは外部のフリーランスの方に発注をすることもあるんですね。またIraizというオンラインビジネスサポートという事業も展開していて、そこではIraizが窓口となって企業様から依頼を受けた業務をフリーランスの方に発注させていただいております。
ということで、私はクライアントとしてクラウドソーシングを使うことも多いんですね。このブログのロゴもクラウドソーシングを使ってフリーランスの方に発注をして作ってもらっています。
ということで、フリーランス目線で「こんな風に提案したら選んでもらいやすいよ」という意見と、クライアント目線で「こういう提案は読む気にならない」「こういう提案には返事をしたくなる」という意見、どちらの目線からの意見も書いていけたらと思います。
クラウドソーシング、こんな提案はNG!
簡単な自己紹介のみ、実績が書かれていない
私がクライアントの立場になって募集をかけたときに、意外と多くてびっくりしたのがこの「ほとんど何も書いていない提案」です。
はじめまして。◯◯と申します。
ライター歴が3年あり、前職でも出版関係の仕事をしていました。
よろしくおねがいします。
こんな感じですね。クラウドソーシングサイトでは20件30件を超えるほどの大量の提案が集まることは珍しくありません。その中から自分を選んでもらわないといけないわけですかから、上記のような提案文ではまず最初の選考で候補から外れてしまう、と思ったほうがいいでしょう。
実際あなたに素晴らしい実績やスキルがあったとしても、それを伝えないことには選んでもらえることはないのです。
この例ほどの短文ではないにしても、情報が足らなくて「どのようなスキルを持っているのか」「どんな風に制作してもらえるのか」「この人にこれだけの報酬を払う価値があるのか」ということが分かりづらい提案をしている人って結構多いです。
シンプルすぎる提案で「提案しても選んでもらえない」という人は、今一度提案文を作り直してみることをおすすめします。
提案文がダラダラと長すぎてわかりにくい
次に多いのがやたらと長くて読む気になれない提案文です。長くてもわかりやすければいいのですが、ダラダラと長い文章は選んでもらいにくいと思ったほうがいいでしょう。
はじめまして。◯◯と申します。198×年に◯◯県で生まれ現在は東京に住んでいます。20△×年に◯◯会社に就職し◯◯をしていました。20××年に◯◯会社に転職し、◯◯◯◯の業務を行いました。◯◯年には◯◯を行い◯◯の賞を受賞しました。その後20◇×年にフリーランスとして独立し、今までに◯件以上の実績があります。今までに制作した企業名は「◯◯◯」「◯◯◯」「◯◯◯」「◯◯◯」「◯◯◯」「◯◯◯」「◯◯◯」「◯◯◯」です。私が制作するときに心がけていることは・・・・・・・・・・・・・・・・・です。これはいつも念頭においています。更に・・・・・・・・・・・・・・・・についても意識しています。所持しているスキル、資格は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・です。今回の案件については・・・・・・・etc.
どんなに素晴らしい実績や豊富な経験を持っていても、ダラダラと書いてしまったら魅力半減です。ちゃんと全部読んでもらえないのは勿体ないですよね。長文なのが悪いわけではないのですが、要点をまとめてわかりやすく書くことが大事です。長い=選ばれやすい提案 ということではないことを覚えておきましょう。
使い回しのテンプレ感満載
クラウドソーシングサイトでは提案のテンプレート機能があり、経歴や実績などを書いたものを保存しておくことができます。ですが、例えば同じ「ライティング」の案件でもクライアントの求めているライター像や、必要としているスキルは案件により異なりますよね。それなのに、どのクライアントにも全く同じテンプレートをそのまま使っている、という人はいませんか?
クライアント側からすると、「テンプレートをそのまま使っているな」というのはわかります。ものすごく印象が悪くなる、というわけではありませんが、沢山の応募の中では埋もれてしまう可能性があります。
「最高のテンプレートを作っているのに、なかなか選んでもらえない」と悩んでいる人は改善してみる必要があるかもしれないですね。
専門用語が多くて理解できない
コーダーやプログラマーさんに多いのですが、やたらと専門用語を使っていて、専門の知識のない担当者が読んだら『ちんぷんかんぷん』という提案文が結構多いです。担当者があなたと同じくらい専門の知識を持っているとは限りません。もしかしたら専門知識のない人が募集・選考をしている、という可能性もあるのです。
プログラマー、コーダーに限らず提案をする際は「中学生が読んでもわかるくらいの文章で書く」というのが鉄則です。「専門用語を羅列していれば凄そうに見える!」なんて言うのは幻想です。相手にわかりやすく伝えるための技術を身につけましょう。
本当にあったこんなフリーランス
過去に、とある制作物を依頼するためにクラウドソーシングサイトを使って募集をしたことがありました。20名くらいの応募があったのですが、ある人は過去の経歴はしっかりと書いておられたのですが、実績がわかるものがない、という方がいらっしゃいました。どれだけ前職で活躍していても「私が依頼したい内容に合っているのか」「希望通りの制作をしてもらえるのか」という点を判断するためには実績が見たいのです。クライアントとしては。
そこで、「過去の実績がわかるものを見せてください」とお願いの連絡をしたところ、ものすごいお怒りの返信が来ました!!
「名前も知らない見ず知らずの人に実績を教えるわけがないでしょ」「細かい実績をいちいち見なくても私は過去に◯◯件以上依頼されているんだからわかるでしょ!」というような内容でした。
ちょっと唖然としていまいました。これは特殊な例だとは思いますが・・・。どれだけ実績を重ねてもプライドが高くなりすぎてクライアントを見下すようになってしまったら仕事は減ってしまいますのでお気をつけくださいね。
クライアントに選んでもらう提案文の書き方とは?
冒頭の挨拶文をクライアントごとにカスタマイズする
冒頭の挨拶文はとても大事です。なるべくオリジナルの文章にすることをおすすめします。
挨拶文を定形からオリジナルに変えるだけで「しっかり募集の文章を読んでくれているんだな」「この案件がやりたいと思って応募してくれたんだな」という風に好印象を持ってくれやすくなりますし、その後連絡がもらえる確率が格段にアップします。
ココがポイント
- 相手のユーザ名を入れる
- 募集内容に触れる
- 挨拶文を長くしすぎない。2~3行程度にまとめる
『飲食店のホームページ制作』という募集に応募した、として例文を書いてみたいと思います。
はじめまして。◯◯と申します。◯◯様の募集を拝見し応募させていただきました。
飲食店のホームページ制作を希望されていますが、私は飲食店や美容室などのショップに特化したホームページ制作を行っておりますので、お力になれるのではないかと思います。
詳しい実績などは下記にまとめていますのでご覧いただければ幸いです。
見出しをつけてわかりやすくまとめる
提案には「自己紹介」「過去の経歴」「フリーランスになってからの実績」「ポートフォリオ」「今回の依頼に関する提案や質問」「自己PR」などを記載します。それぞれを見出しをつけてわかりやすく書くことを意識しましょう。
見出しの付け方はいろいろあります。「何について書いているのか」がぱっとみてわかるような工夫をしておくと最後まで読んでくれる可能性が高くなると思います。
以下の例のような見出しを使うといいと思います。当然ですが使う時は見出しを統一してくださいね。
【自己紹介】
◇所持している資格◇
①実績
▼見積もり詳細
実績やポートフォリオをまとめておく
クラウドソーシングでは対面で会うことはほとんどなく、文章でのやりとりが基本となります。クライアント側からしても文章だけで判断して選ぶというのはとても怖いことなので、クライアントにとっての安心材料になりやすい実績や提案があると安心して依頼ができます。
ポートフォリオも沢山URLを掲載したところで、全部をクリックしてくれるわけではありません。できれば専用のポートフォリオサイトを作るのがおすすめです。1ページに全てまとまっている方がわかりやすいです。
※クラウドソーシングでは、契約前に外部で連絡を取ることが禁止になっていますので、クラウドソーシング専用のポートフォリオサイトにはメールアドレスやSNSなどの情報を掲載しないようにしましょう。
やる気や強みをしっかりとアピールする
「この仕事がしたいです」「他の人とは違うこんなことができます」ということをしっかりとアピールをすることが大事です。募集に対して建設的な提案をしたり「自分だったらこんなことができる」などご具体的なことが書いてあったりすると、やる気を感じ好印象になります。
クライアントに「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえるような提案文を考えてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?たかが提案文と思わず、1件1件心を込めて提案することで、クリアントにもやる気や熱意が伝わり、連絡が来たり契約になったりする確率がぐんと上がると思います。
もし「自分の提案文について添削してほしい」「悪い箇所を教えて欲しい」など、提案文についてのアドバイス行います。 こちら からお問い合わせください。