2020年2月11日、野村克也さんが84歳で亡くなりました。プロ野球で戦後初の三冠王に輝いた名キャッチャー。チームを3度の優勝に導いた名監督でもあります。 またID野球・・・つまり経験や勘などに頼るのではなく、データを元にした緻密な戦略や頭脳プレーなどの考える野球を提唱し、「日本の野球界を変えた」とも言われている偉大な人なんです。
そんな野村さんですが最近は車イス姿も多く、足腰が大分弱っているなと感じてはいたのですが突然の訃報にショックを隠しきれません。
そんな野村さんは数々の名言を残していますが、野球に関わる人だけではなく、人生やビジネスにおいても役立つ名言がありますので、追悼の意を込めてここでご紹介したい思います。
野村克也さんプロフィール
まずは野村さんのプロフィールをご紹介します。
氏名 野村 克也
生年月日 1935年6月29日
血液型 B型
出身地 京都府
身長・体重 175cm/85kg
役職 野球評論家
投 / 打 右/右
球歴 峰山高-南海-ロッテ-西武-ヤクルト(監督)-阪神(監督)-シダックス(監督)-楽天(監督)
【出演】
2010年 スカパー! CM
2010年 TOYOTA NOAH CM
2011年 KONAMI プロ野球スピリッツ2011 他、多数
京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、 不動の正捕手として南海の黄金時代を支えた。
「ささやき戦術」や投手のクイックモーションの導入など、駆け引きに優れ工夫を欠かさない野球スタイルは現在まで語り継がれる。また、70年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ四球団で監督を歴任。 他球団で挫折した選手を見事に立ち直らせ、チームの中心選手に育て上げる手腕は、「野村再生工場」と呼ばれ、 ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。 インタビュー等でみせる独特の発言はボヤキ節と呼ばれ、 その言葉はノムラ語録として多くの書籍等で野球ファン以外にも広く親しまれている。 スーパースターであった王・長嶋と比較して、自らを「月見草」に例えた言葉は有名である。
現在は野球解説者としても活躍。
引用:野村克也オフィシャルサイトより
野村克也さんのWikipediaはこちら
野村克也さん著書のご紹介
数々の本を出されているので、興味のある人はぜひ読んでみてください。
ちなみに、私は本を買うのは送料無料の総合書店「honto」 が多いです。時期によりますが20%OFFなど割引のクーポンがもらえたり、電子書籍のビジネス書が安くなってたりするので。毎月10冊ずつ位買って読んでます!野村克也さんの名言集12選
それでは野村さんの名言、ご紹介していきたいと思います。
名言とその名言に対する私の解釈を記し、野村さんへの追悼の意を表したいと思います。
人生観、スキルアップに関する名言
失敗と書いて成長と読む
小さい頃から失敗は悪だと教えられて育った人って結構多いのではないでしょうか。失敗すると怒られたり、避難されたり・・・という経験を積むと、人は段々失敗を恐れてチャレンジしなくなってしまいます。
ですが「失敗」は悪ではなくて「成長」。成長するためには失敗はつきものだ、ということですよね。「失敗してもいいからどんどんチャレンジをして成長しなさい」という野村さんの器の大きさが伺える名言だと思います。
若いときに流さなかった汗は、年をとったときの涙となる
「苦労は買ってでもしろ」という言葉もありますが、若いときにいろんな経験を積んで、失敗したり苦労したり悩んだり必死に頑張ったり…と汗を流した経験や知識や自信が将来に繋がっていく、ということですよね。
逆に楽をしたり手を抜いたりして生きてきた人は後から後悔することになるかもしれない、というとても深い言葉だと思います。
人間はどうしても楽をしたがる生き物ですもんね。 また、今とっても苦しい思いをしている人の支えにもなる言葉だな、と思いました。
若いとき、というのは子供とか新人時代という意味だけではないと思うので、例えば30代でも40代でも50代だっとしても、今頑張っていることは必ず次に繋がるし、今手を抜いたら後から辛い思いをするのは自分なんだ、と思って奮起できる素敵な言葉ですね。
大勢が横一列に並んでスタートする競争世界で、弱者が人と同じことをやっていては、勝てないのは当たり前
これは弱いチームを補うためにデータ分析、IDや野球を取り入れた野村さんならではの名言だと思います。最初から才能がある人・環境に恵まれている人たちと同じように戦っても勝てない。であれば何か工夫が必要だというのはビジネスの世界にも通ずるところがあるように思います。人とは違う強みを持つ、人よりも努力する、など工夫していかないといけないですね。
敵に勝つより、もっと大事なことは、常に自分をレベルアップすること
技術やスキルだけではなくて「人として」「人間的にも」優れている人こそが本当の一流である、ということですね。つい相手に勝つことだけを考えると他人を蹴落とすことやを考えたり他人を妬み傷つけるようなことをしてしまいがちです。そんな器の小さな人間になるのではなく、自分をスキルアップさせることで他人に勝つ。本当に一流の野村さんだかたこそ、の言葉だと思います。
人間性を磨くことが、よい仕事につながる。人間性を磨くことが、人生の充実につながる
野村さんが監督時代、細かい技術の指導などはコーチに任せ、ご自身は生活面や礼儀作法など人間教育、社会教育に力をいれていたそうです。私自身も仕事でも本当に成功しようと思うと、小手先の知識や技術面だけではなく、人間力や心構え、マインドがとても大事だと思っています。これはビジネスの世界でもリーダーや指導者が心がけておくことではないでしょうか。目先のことだけを考えて技術的な部分だけを教えるのではなく、人間性も育てていかなければいけないし、人間性を育てようと思ったら自分自信も人間性を磨いておかないといけないですね。
何かをしたい者は手段を見つけ、何もしたくない者は言い訳を見つける
「仕事が忙しいから」「子供がいるから」「通勤が遠いから」「◯◯だからできない」・・・と 人はすぐできない理由を探しがちです。その方が楽ですからね。 でも本当にやりたいのであれば「どうすればできるか」「どのように工夫すればできるか」と実行するために試行錯誤することでできなかったことができるようになるんですよね。自分で「できない」と決めて限界をつくるのではなく、できるようになるためにどうするか、というマインドで何事も取り組みたいですね。
目標は高く、常に上を目指して進む。だけど過信したりうぬぼれたりせずに、苦しんでいる人や悩んでいる人たちのことも
リーダー、指導者、子育てなどに役立てたい名言
人間は無視・賞賛・非難の段階で試される
これは野村さんご自身も「三流は無視。話をする気にすらなれない。誉めて賞賛するのは二流まで。一流の選手は徹底的に非難する」と選手の成熟度によって接し方を変えていたそうです。まだまだ未熟な人たちに厳しく接しても意味がない。褒めて称賛して成功体験を積ませ自信をつけさせてあげるんでしょうね。なぜ叱っているのか意味がしっかり理解できる一流の人にだけ厳しく接する。
これは簡単なようで実践するのはなかなか難しいですよね。つい一流の人を褒めて二流三流の人に厳しく接してしまいがちです。それは逆なんだ、ということを私自身も肝に銘じたいと思います。
部下を「信じる」というのは、リーダーの重要な資質
人を信じる、というのは簡単なようで難しいですね。重要な仕事を任せることができず、部下のやる気を削いでしまう、なんて経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか。私もあります。部下に教えてできるのを待つよりも自分でやってしまった方がはやい。だけどそこでぐっと我慢して部下を信じ部下の成長を見守ることのできる人こそがリーダーと呼べる存在なんでしょうね。
好かれなくても良いから、信頼はされなければならない
嫌われることを恐れている人に、真のリーダーシップは取れない
これ、逆になってる場合ありますよね。部下に嫌われたくないと思っているから仲はいいけど、あまり信頼はされていない・・・。悲しいですね。リーダーである以上、時には部下に厳しいことを言わなければいけない。だから嫌われることを恐れてはいけない。だけど、その厳しさに愛情と一貫した筋があればきっと部下は慕ってくれるんだと思います。好かれてはいないけど信頼されている上司。私もそんな上司を目指したいですね。
挨拶は、人間らしく生きるための基本の心である
親に挨拶の心がないと、それは必ず子供にも表れる
親は子供に色々教えたいですよね。子供よりも経験を積んでいる分「あーしなさい」「こーしなさい」と口うるさく言ってしまいがちです。でも子供は親の言葉よりも親の行動を見てマネをしています。 「挨拶をしなさい」といくら言っても親が挨拶できなければ子供は挨拶のできる子には育たないんですよね。挨拶のできる子に育ってほしいと思うのであれば親がまず率先して挨拶をする。挨拶以外でも同じですよね。子供に言うだけではなくて、行動でみせる。これは私も常に意識していたいと思います。
自分の持っているイメージと違うとすぐ矯正しようとする
こんな上司のもとにいる部下は不幸
プロ1年目のイチローさんも、振り子打法が1軍の首脳陣に理解してもらえず、なかなか一軍にあげてもらえなかったそうです。日本人はみんなと同じが良いとされるような文化が根付いているところもあるので、企業でも「今までのやり方は~」「そんな考えはおかしい」などと頭ごなしに決めつけてしまうこともあるかもしれません。自分がこうだから部下もこう・・・と気mつけず部下にとって最適なことを考えてあげられるリーダーになりたいですね。
ナポレオンは「人間を動かす二つのテコがある。それは恐怖と利益である」と言った
私はこの二つに「尊敬」を加えたい
リーダーは「利益と尊敬と、少しの恐怖」で組織を動かしていくべきで、その潤滑油が「笑い(ユーモア)」だ
恐怖と利益のテコというのは「◯◯ができなかったら上司に叱られる」「失敗したら給料が下がる」といった恐怖と「契約が取れたら給料があがる」「上司に褒めてもらえる」などという利益のことです。人は「利益を得たい」もしくは「恐怖を避けたい」というどちらかの思いがあって動く、ということですよね。
これは営業の研修なんかでも「相手にこれを購入するときの利益、購入しなかったときの恐怖を想像させなさい」なんて教える人もいるくらいです。でも野村さんは「利益と尊敬と少しの恐怖」と言っています。自分の利益、それから「この人に認められたい」「あの人みたいになりたい」という尊敬の気持ちでも人は動く、と言っているんですね。深いです。
リーダーシップとは人を動かす、先を読むこと。人を動かすのは生きがい、夢、希望、目標、目的、ビジョン、興味、関心。
人を動かすのは権力や命令、恐怖を与えることではないんですよね。「夢」「希望」「目標」「目的」「ビジョン」「興味」「関心」こういったことで人を動かすことができる。つい叱ったり「◯◯しないと昇給しないぞ」などと言って部下を思いのままにあやつろうとしていまいますが、一緒に夢を見て、希望を感じて、目標や目的を共有して、興味や関心を持ってもらうことで、きっと部下は飛躍的に成長するのだと思います。
人の何倍も努力をし勉強をしてきた野村さんだからこそ、このような名言を沢山残すことができたのでしょう。これらの言葉をビジネスや子育て、何より生きる上で大切にしていきたいですね。
野村さんのご冥福を心よりお祈りいたします。